働いていると障害年金は受給できないの?【仕事と障害年金の関係を社労士が解説】
1.仕事をしていると障害年金はもらえないの?
「会社で働いているから障害年金は申請できないのでは?」「障害年金をもらいながら仕事を続けても大丈夫?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からいうと、働いているという理由だけで障害年金が受給できなくなるわけではありません。仕事を続けながら障害年金を受給している方もいます。
ただし、働いていれば誰でも受給できるという意味でもありません。障害の程度や日常生活への影響、実際の働き方などを踏まえて判断されます。
2.仕事をしているかどうかで、審査は変わるの?
障害年金では、病気やけがの種類によって、障害の程度を判断する際に重視される内容が異なります。
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障害の種類 |
審査で確認される内容の例 |
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目・耳・手足などの障害 |
視力・聴力・関節の動きなど、検査結果や身体の状態を重視する場合があります。働いているという事実だけで対象外にはなりません。 |
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うつ病・発達障害などの精神の障害 |
日常生活での困難さに加え、仕事内容、勤怠、職場の援助・配慮の状況なども確認されます。 |
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心臓・腎臓などの内部障害 |
検査結果や治療状況、日常生活・労働への制限などを、認定基準に照らして判断します。 |
例えば、人工関節やペースメーカーの装着など、一定の状態について等級の目安が定められているものもあります。一方、精神の障害では、就労の実態が判断に大きく関わることがあります。
3.障害者雇用や就労継続支援で働いていても、受給できるの?
はい、受給できる可能性があります。厚生労働省の「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」では、障害者雇用や就労継続支援A型・B型など、援助を受けながら働いている場合には、その援助の内容も考慮することとされています。
また、一般企業で働いている場合でも、障害者雇用と同程度の援助を受けているときは、その実態を踏まえて判断されます。雇用形態の名称だけで、受給できる・できないが決まるわけではありません。
4.一般企業で働いている場合は、何を確認されるの?
特にうつ病や発達障害などの精神の障害では、「働いている」という事実だけでは、実際の困難さが分からないことがあります。例えば、次のような状況です。
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確認すること |
具体例 |
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勤務時間・出勤状況 |
短時間勤務をしている、体調不良による欠勤・遅刻・早退が多い。 |
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仕事内容 |
業務内容を限定してもらっている、負担の大きい仕事を免除されている。 |
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職場での援助 |
同僚がこまめに声を掛けている、体調が悪いときに休憩やシフト交代を認めてもらっている。 |
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仕事以外の生活 |
仕事を終えると疲れ切って家事や身の回りのことが難しくなり、家族の援助を受けている。 |
フルタイムで勤務していたり、長期間同じ会社で働いていたりしても、こうした配慮によって就労を続けられている場合があります。反対に、特別な援助を受けず安定して就労できている状況は、障害の程度を判断する際の一つの材料になります。
5.収入があると障害年金はもらえないの?
障害年金は、原則として給与があるという理由だけで、一律に受給できなくなる制度ではありません。月収だけではなく、障害の状態や就労の実態を確認します。
ただし、例外があります。20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある傷病による障害基礎年金には、本人の前年所得に応じた支給制限があります。一定の所得額を超えると、年金が半額または全額支給停止となる場合があるため注意が必要です。
この場合の基準は「給与の額面」そのものではなく「所得」です。自分がどの種類の障害年金を受給しているかも確認しましょう。
6.障害年金を受給中に就職したら、支給が止まるの?
就職したことだけで、障害年金が自動的に支給停止になるわけではありません。
一方、障害年金は、受給開始後も必要に応じて障害の状態を確認します。障害状態確認届(診断書)などによる審査で、障害の状態が認定基準に該当しなくなったと判断されれば、等級の変更や支給停止となることがあります。
「働き始めたから必ず止まる」と心配する必要はありませんが、勤務状況や職場で受けている援助、日常生活の様子を正確に伝えることが大切です。なお、前述の20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限にも注意しましょう。
7.働きながら請求するときに確認しておきたいことは?
まずは、初診日、保険料納付要件、障害の程度という基本的な受給要件を確認します。そのうえで、仕事内容・勤務時間・欠勤状況・職場での配慮・家庭での生活状況などを整理しておきましょう。
とくに精神の障害では、診断書や「病歴・就労状況等申立書」に、援助を受けながら働いている実情が正確に反映されていることが重要です。必要に応じて、ご本人だけでなく、ご家族や職場の方と状況を確認することも考えられます。
まとめると…「働いているか」だけで判断しないことが大切です
働いているという理由だけで、障害年金を諦める必要はありません。大切なのは、病気や障害によってどのような制限があり、どのような支援を受けながら仕事や日常生活を送っているかということです。
受給できるか迷っている方は、初診日や受診歴とともに、現在の働き方や日常生活の状況を整理し、年金事務所や障害年金に詳しい社会保険労務士に相談してみましょう。

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