人工透析をしていると障害年金はもらえるの?【社労士が解説】
1.人工透析は障害年金の対象になる?
「人工透析を続けているけれど、障害年金をもらえるのだろうか?」「仕事をしているから対象外なのでは?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
結論からいうと、人工透析を受けている方は、原則として障害年金の2級に該当します。ただし、透析を受けているという理由だけで、全員に年金が支給されるわけではありません。初診日や年金保険料の納付状況など、いくつかの条件を確認する必要があります。
日本年金機構の障害認定基準では、人工透析療法を受けている方は原則として2級とされています。合併症や日常生活の状況などによっては、さらに重い1級に認定される場合もあります。障害者手帳の等級とは別の基準で判断されます。
2.どの障害年金を受け取れるの?
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。どちらの対象になるかは、現在の仕事や透析開始時の加入状況ではなく、原因となる病気について初めて医師の診療を受けた日(初診日)で判断するのが基本です。
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項目 |
内容 |
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初診日が国民年金加入中など |
障害基礎年金が対象です。1級・2級の障害状態が対象となり、人工透析による2級に該当すれば、受給できる可能性があります。 |
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初診日が厚生年金加入中 |
障害厚生年金が対象です。2級の場合は障害厚生年金に加え、障害基礎年金も受け取れる可能性があります。 |
例えば、会社員のときに腎臓の病気で初めて受診し、退職後に透析を始めた方でも、初診日が厚生年金加入中であれば障害厚生年金の対象となる可能性があります。
令和8年度の障害基礎年金2級は、昭和31年4月2日以後生まれの方で年額847,300円です。対象となるお子様がいる場合の加算や、障害厚生年金の金額は個々の状況によって異なります。
3.透析を始めたら、いつから請求できるの?
障害年金の障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。ただし、人工透析には、透析開始から3か月後を障害認定日とできる特例があります。
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項目 |
内容 |
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透析開始から3か月後が初診日から1年6か月以内 |
透析を初めて受けた日から3か月を経過した日が、障害認定日となる特例があります。 |
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透析開始は1年6か月以内だが、3か月後は1年6か月を超える |
原則の障害認定日である初診日から1年6か月の日に、透析中の障害状態を判定します。 |
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初診日から1年6か月を過ぎて透析開始 |
すでに障害認定日を過ぎています。その時点では該当せず、後に透析を開始した場合は「事後重症による請求」を検討します。透析開始後、さらに3か月待つ必要はありません。 |
事後重症による請求では、年金の受給開始は請求した月の翌月分からです。また、原則として65歳の誕生日の前々日までに請求書を提出する必要があります。透析を始めた時期と、初診日からの経過期間を早めに確認しましょう。
4.仕事を続けていても受給できるの?
はい。働いているという理由だけで、人工透析による障害年金を受給できなくなるわけではありません。障害認定基準では透析を行っている状態が原則2級に該当するとされており、就労の有無だけで判断する制度ではありません。
ただし、20歳前に初診日がある傷病による障害基礎年金には、本人の前年所得による支給制限があります。個別の事情によって年金の支給・調整に関する取扱いが異なることもあるため、確認が必要です。
なお、腎臓移植を受けた場合は、移植後すぐに2級でなくなるとは限りません。原則として移植後1年間は従前の等級を維持し、その後、治療経過や障害の状態を踏まえて認定します。
5.申請する前に確認しておきたいこと
人工透析による障害年金の請求で、特に大切なのが初診日の確認です。透析導入の何年も前から腎臓病などで通院している方もいます。糖尿病から腎機能の障害に至った場合も、原因となる病気と受診経過を整理する必要があります。
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項目 |
内容 |
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① 初診日を調べる |
人工透析を初めて受けた日が、必ずしも初診日ではありません。腎臓病や、その原因となった病気で初めて受診した時期を確認します。 |
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② 年金の加入・納付状況を確かめる |
初診日にどの年金制度に加入していたか、初診日の前日時点で保険料の納付要件を満たしているかを確認します。 |
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③ 医療機関の記録を整理する |
初診日の証明に必要な受診歴、透析の開始日、現在の治療状況を確認し、障害年金用の診断書などを準備します。 |
受診から長い年月が経っていると、最初の病院のカルテが残っていないこともあります。その場合も、当時の受診記録など、初診日を確認するための資料を検討できる場合があります。
人工透析を受けている方は原則2級の認定対象ですが、実際の受給には初診日、保険料納付要件、請求時期の確認が欠かせません。「自分は対象になるのだろうか」と迷われたら、受診歴と透析開始日を整理するところから始めてみましょう。

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