障害年金を社会保険労務士に委託するメリットはあるの?【社労士が解説】
1.障害年金は自分でも申請できる?
障害年金は、原則としてご本人やご家族が「自分で申請(請求)」することができます。
年金事務所や「街角の年金相談センター」に予約して相談すれば、必要書類や手続きの流れも教えてもらえます。
ただし、老齢年金と同じく「請求主義」ですので、「病気やけがで働けなくなったから、黙っていても自動的に支給される」という仕組みではありません。自ら請求手続を行うことが前提になります。
2.なぜ社労士に依頼する人がいるの?
「申請の相談に乗ってもらえるなら、社労士に相談する必要は無いですよね?」もちろんそういったご意見もあります。もちろん、ご自身で申請し受給に至るケースもございますので、
(1)自分で申請する場合のメリット・デメリット
|
項目 |
内容 |
|
メリット① |
費用がかからない(社労士への着手金や成功報酬が不要)。 |
|
メリット② |
制度を自分で調べることで、「自分の権利」や年金制度への理解が深まる。 |
|
デメリット① |
初診日要件・保険料納付要件・障害等級など、ルールが複雑で、解釈に迷いやすい。 |
|
デメリット② |
診断書や病歴・就労状況等申立書の書き方ひとつで、等級(あるいは支給・不支給)が左右されるリスクがある。 |
|
デメリット③ |
体調が悪い中で、役所・病院とのやり取りや、何度も書類を書き直す負担が大きい。 |
とくに、精神疾患・高次脳機能障害・発達障害など、「日常生活の困りごとを言葉で整理するのが大変なケース」では、ご本人・ご家族だけで最後までやり切るのが難しいこともあります。
(2)社労士に依頼する場合のメリット・デメリット
|
項目 |
内容 |
|
メリット①:受給可能性の整理 |
年金記録・初診日・納付状況を整理し、「そもそも請求できるか」「どの年金・どの等級を目指すか」をあらかじめ見立てることができる。 |
|
メリット②:診断書まわりのサポート |
障害年金用診断書のポイントを整理し、医師への依頼文を作成したり、記載内容をチェックしたりできる。実態に近い内容になりやすい。 |
|
メリット③:病歴・就労状況等申立書の作成支援 |
発症から現在までの流れ、仕事上の支障・配慮内容などをヒアリングし、認定基準を意識した文章に整えることができる。 |
|
メリット④:手続きの「窓口」になれる |
年金事務所とのやり取り、不足書類への対応など実務部分の多くを任せられ、ご本人・ご家族の心理的・時間的負担が軽くなる。 |
|
メリット⑤:不支給時の見通し |
不支給・低い等級となった場合、審査請求等を含めて「次に何ができるか」の方針を立てやすい。 |
一方で、当然ながらデメリットもあります。
|
項目 |
内容 |
|
デメリット①:費用負担 |
着手金や成功報酬がかかる。初回支給額の何か月分、という設定が多く、負担感を覚える方もいる。 |
|
デメリット②:情報提供の手間 |
申請を任せるとはいえ、病歴・就労歴・家族状況など、かなり詳しく話をする必要がある。 |
|
デメリット③:事務所ごとの経験差 |
取り扱い件数や得意分野(精神・肢体・難病など)は事務所によって異なり、「どこに頼むか」でサービスの質が変わりうる。 |
3.まとめ―「自分でやるか」「任せるか」の目安
障害年金は、「自分で申請することもできるが、内容は決して単純ではない」制度です。
・障害の程度が比較的軽く、通院歴や年金記録もシンプルで、書類作成が苦にならない方であれば、自力申請で十分対応できる場合もあります。
・一方で、初診日がかなり前である、転院・転職を繰り返している、精神疾患などで文章を書くこと自体が負担、という場合は、社労士に委託するメリットが大きくなりやすいといえます。
「どちらが正解」というより、
- 費用負担をできるだけ抑えたいのか
- できるだけ手間と不安を減らしたいのか
という、ご本人・ご家族の優先順位によって選び方が変わるテーマです。

初めての方へ
